英検4級の難易度は中学中級程度です。極端に難しい試験ではありませんが、5級より英文が長くなり、覚えた知識を問題の中で使う力が求められます。
合格できるかは学年だけでは判断できません。公式情報と学習上の目安を分けながら、試験内容、難しい理由、合格点、受験を決める基準を解説します。
英検4級の難易度はどのくらい?
英検4級は、公益財団法人 日本英語検定協会が中学中級程度と位置づけている級です。5級の中学初級程度と、3級の中学卒業程度の間にあります。
「中学中級程度」とは、一般的には中学1年生の基礎に加え、過去や未来を表す文、比較表現などを学んでいる段階を指します。
ただし、これは受験できる学年を定めたものではありません。小学生でも必要な内容を学んでいれば合格を目指せますし、中学2年生でも基礎が定着していなければ難しく感じます。
まず、公式情報と学習上の目安を整理しておきましょう。
項目 内容 位置づけ
公式レベル 中学中級程度 英検公式
一次試験 リーディング・リスニング 英検公式
試験時間 リーディング35分・リスニング約30分 英検公式
合格基準 CSEスコア622点 英検公式
学年の目安 中学2年生前後 学校の一般的な進度による目安
過去問の目標 両技能で6〜7割程度 受験判断のための非公式な目安
大切なのは、「CSEスコア622点」は公式の合格基準であり、「過去問で6〜7割」は学習計画を立てるための目安にすぎないという違いです。
英検4級を「難しい級」と一括りにするより、私は中学英語の基礎を、短文・会話・長文・音声の中で使えるか確認する試験と捉えるのが適切だと考えています。
単語や文法を覚えているだけでなく、文中の手がかりを見つけて意味を判断する必要があるからです。
英検4級が難しいと言われる理由は?
英検4級が難しいと言われる主な理由は、5級よりも単語、文法、英文の長さ、試験時間の負担が増えることです。
一つひとつの内容が高度というより、複数の基礎知識を同時に使わなければならないことが難しさにつながります。
単語を文の中で判断する必要がある
英検4級では、学校生活、買い物、外出、天気、予定、趣味など、身近な場面を扱う単語や表現が出てきます。
必要語彙数については教材や教育機関によって示される数字が異なり、英検公式が「4級は何語」と固定した語彙数を示しているわけではありません。
そのため、「英検4級には必ず何語必要」と考えるより、公式過去問に出る語句を理解できるかで判断する方が正確です。
たとえば、次の単語はそれぞれ単独では難しくありません。
- tomorrow:明日
- homework:宿題
- museum:博物館、美術館
- early:早く、早い
- warm:暖かい
- busy:忙しい
- twice:2回、2度
しかし、問題文と選択肢に知らない語が重なると、文全体の意味を判断できなくなります。
単語不足は短文問題だけで終わりません。長文を読む速さや、リスニングで内容をつかむ力にも影響します。
「tomorrow=明日」と日本語訳だけを覚えるのではなく、「I will visit my aunt tomorrow.」のような短い英文で確認すると、単語と未来表現を一緒に理解できます。
過去や未来を表す文が増える
4級では、現在のことだけでなく、過去の出来事や今後の予定を表す英文が増えます。
特に確認しておきたいのは、次のような項目です。
- be動詞と一般動詞の使い分け
- 一般動詞の過去形
- 不規則動詞の基本
- willやbe going toを使う未来表現
- 現在進行形
- 比較級の基本
- canなどの基本的な助動詞
- 疑問文と否定文
- There is、There areの文
- 基本的な不定詞や動名詞の表現
文法用語を説明できることより、文中の手がかりから正しい形を選べることが重要です。
たとえば、yesterdayがあれば過去形、tomorrowがあれば未来表現、thanがあれば比較級を考えます。
長年学習者を見ていると、「過去形の作り方は説明できるのに、問題では現在形を選んでしまう」というケースがあります。
原因は知識不足だけではありません。文法と判断材料が結びついていないことが多いのです。
間違えた問題は正解だけを覚えず、「どの言葉を見れば判断できたか」まで確認すると、同じ種類の失点を減らせます。
長文から必要な情報を探す力が求められる
4級のリーディングでは、短文や会話文だけでなく、掲示、案内、Eメールなどを読んで答える問題が出題されます。
ここで必要なのは、英文を一語ずつ日本語に訳す力だけではありません。
「誰が」「いつ」「どこで」「何をするのか」という情報を、本文の中から探し出す力が必要です。
指導の現場では、単語問題を丁寧に考えすぎて長文に使う時間がなくなる学習者が少なくありません。
これは長文読解力だけの問題ではなく、35分をどう配分するかという試験運用の問題です。
長文を読むときは、先に設問を確認します。
たとえば「Kenは日曜日に何をしますか」と尋ねられているなら、Ken、Sunday、予定を示す表現の近くを重点的に読みます。
すべてを完璧に訳そうとするより、設問に必要な情報を正確に探す方が、短い時間で答えにたどり着けます。
約65分集中しなければならない
英検4級の一次試験は、リーディング35分とリスニング約30分で構成されています。
合計すると約65分です。
特に小学生や、長時間の試験に慣れていない受験者は、問題を解く知識があっても後半で集中力が落ちることがあります。
リーディングだけなら解ける、リスニングだけなら聞けるという状態でも、続けて取り組むと点数が下がる場合があります。
英検4級の難易度を判断するときは、単語と文法だけでなく、本番と同じ順番で最後まで取り組めるかも確認する必要があります。
英検4級の試験内容と問題数は?
英検4級の級認定は、一次試験のリーディングとリスニングで判定されます。
任意のスピーキングテストもありますが、その結果は4級の級認定には影響せず、スピーキングテストだけで別に合否が判定されます。
リーディングは35分・35問
リーディングは35分で、全35問です。
大問 主な問題形式 問題数
大問1 短文の語句空所補充 15問
大問2 会話文の文空所補充 5問
大問3 日本文付き語句整序 5問
大問4 長文の内容一致選択 10問
大問1では、単語、熟語、文法の知識が問われます。
知らない問題で長く止まると、後半の長文に使える時間が減ります。迷った問題には印をつけ、先へ進む判断も必要です。
大問2では、会話の流れを読み取ります。
空所だけを見るのではなく、相手が質問しているのか、誘っているのか、理由を聞いているのかを確認します。
大問3は語句の並べ替えです。
主語、動詞、目的語の基本語順や、疑問文の語順が曖昧だと失点しやすくなります。
大問4では、掲示、案内、Eメール、説明文などを読み、内容に合う選択肢を選びます。
35問を35分で解くため、単純計算では1問に使える時間は約1分です。前半を確実かつ速く進め、長文を読む時間を残すことが重要になります。
リスニングは約30分・30問
リスニングは3部構成で、各10問、合計30問です。
- 第1部:会話の最後に合う応答を選ぶ
- 第2部:会話を聞き、質問に答える
- 第3部:短い英文を聞き、質問に答える
4級の音声は原則として2回放送されます。
ただし、1回目を聞き流し、2回目だけで理解しようとすると、答えを絞れないことがあります。
1回目では、登場人物、場所、曜日、時間、数、行動などの要点をつかみます。
2回目では、質問の答えになる部分を確認します。このように役割を分けると、音声を聞く目的が明確になります。
文字なら分かる単語を音で聞き取れない場合は、単語を知らないのではなく、文字と音が結びついていない可能性があります。
単語学習に音声と音読を加えると、リーディングとリスニングを同時に補強できます。
スピーキングテストは任意
英検4級では、任意で約4分のスピーキングテストを受けられます。
録音形式で、英文の音読や、文章・イラスト・自分自身に関する質問への応答が行われます。
スピーキングテストを受けなくても、リーディングとリスニングで4級に合格することは可能です。
一方、音読練習には、英文の語順を保ったまま理解しやすくし、文字と音を結びつける効果が期待できます。
受験予定がなくても、短い英文を声に出す練習は4級対策に役立ちます。
英検4級の合格点と合格の目安は?
英検4級の公式な合格基準は、英検CSEスコア1000点満点中622点です。
リーディングとリスニングには、それぞれ500点が設定されています。4級の級認定は、この2技能の一次試験によって決まります。
ここで注意したいのは、CSEスコアと正答数は同じものではないことです。
英検公式では、技能ごとの正答数をもとに統計的手法を用いてCSEスコアを算出しています。そのため、自己採点だけで正確なCSEスコアを計算することはできません。
「35問中何問正解すれば必ず合格」と固定して考えない方が安全です。
6〜7割は公式合格ラインではない
過去問で6〜7割を目標にする方法は、学習上の目安としてよく使われます。
しかし、6割を取れば必ず合格するという公式基準ではありません。
受験を判断するための目安としては、次の状態を目指すとよいでしょう。
- リーディングとリスニングの両方で6割以上取れる
- できれば両方で7割前後を安定して取れる
- 制限時間内に最後まで解ける
- 別の回でも大きく点数が下がらない
- 一方の技能だけに極端な弱点がない
たとえば、リーディング35問なら21問前後、リスニング30問なら18問前後が6割に当たります。
これは公式の合格正答数ではなく、現在地を確認するための計算です。
一度だけ6割を超えた場合は、得意なテーマが多かった可能性もあります。複数回の過去問で同じ水準を取れるかを確認してください。
合格率より自分の過去問結果を見る
英検4級の合格率について、「約70%」という数字を目にすることがあります。
これは主に、英検協会が以前公表していた2015年度までの資料をもとに紹介されてきた過去の参考値です。
現在の級別合格率として、その数字をそのまま断定するのは適切ではありません。
また、仮に合格率が高く見えても、受験者の多くは事前に学習し、合格の見込みを確認してから受験しています。
他の受験者を含む合格率より、公式過去問を解いた自分の結果の方が、現在の合格可能性を判断する材料になります。
英検公式サイトでは、過去1年分に当たる直近3回分の過去問が掲載されています。公開される回は更新されるため、受験前に最新の掲載内容を確認してください。
小学生や中学1年生に英検4級は難しい?
英検4級は小学生や中学1年生でも受験できます。
ただし、学年ではなく、5級範囲の定着、未習文法の有無、長文への抵抗、試験時間への対応力で判断する必要があります。
小学生は学習歴と集中時間で判断する
英語を始めたばかりの小学生には、英検4級は難しく感じやすい級です。
日常的な英会話に慣れていても、過去形や語句整序、長文読解に慣れていないと、過去問では点数を取りにくいことがあります。
一方、家庭学習や英語教室で継続して学び、文字を読む練習もしている小学生なら合格を目指せます。
受験前には、次の状態を確認しましょう。
- 英検5級程度の単語と文法が定着している
- be動詞と一般動詞を区別できる
- 基本的な過去形と未来表現を読める
- 短いEメールや案内文を読める
- リーディング後もリスニングに集中できる
- 過去問を時間内に最後まで解ける
指導の中で小学生に多く見られるのは、リスニングでは得点できても、語句整序や長文で時間を使いすぎるパターンです。
英語を音で理解できることと、語順を意識して文字を読めることは別の力だからです。
反対に、単語を多く覚えていても、約65分の試験に慣れておらず、後半で集中が切れるケースもあります。
小学生の場合は、正答率だけでなく、試験時間に対応できるかまで含めて受験を判断することが重要です。
中学1年生は未習範囲を確認する
中学1年生が4級を受験する場合、学校の進度によっては未習の文法が含まれます。
過去形、未来表現、比較表現などをまだ授業で学んでいなければ、学校の成績がよくても過去問を難しく感じる可能性があります。
この場合、「英語が苦手だから解けない」と判断する必要はありません。
まだ習っていない内容と、習ったものの定着していない内容を分けてください。
未習範囲なら、基本ルールと短い例文を先に学べば対応できます。
英検4級は中学1年生にとって、学校英語の復習だけでなく、次の学年の内容を一部先取りする試験になる場合があります。
5級から受ける判断も合理的
4級の過去問で4割前後しか取れず、基本単語や疑問文にも多くの抜けがある場合は、5級から受ける方法もあります。
低い級から始めることは遠回りではありません。
問題形式に慣れ、時間内に解く経験を積み、合格という成功体験を得てから4級へ進めます。
私は、早く上の級を取ることよりも、次の級で困らない土台を作ることの方が大切だと考えています。
3級ではライティングや二次試験の面接が加わります。4級で語順、基本文法、音と文字のつながりを整えておくと、その後の学習が進みやすくなります。
英検4級を受験できるか確認する方法は?
英検4級の難易度が自分に合っているかは、公式過去問を3回分使うと判断しやすくなります。
感覚で「難しそう」「たぶん大丈夫」と決めず、技能別の結果を記録してください。
1回目は失点の原因を調べる
最初の1回は、形式を確認しながら解いて構いません。
大切なのは点数より、なぜ間違えたかを分類することです。
- 単語の意味を知らなかった
- 文法を判断できなかった
- 語順を組み立てられなかった
- 長文の該当箇所を見つけられなかった
- 英語の音を聞き取れなかった
- 質問の意味を誤解した
- 時間が足りなかった
- 分かっていたのに選択肢を間違えた
同じ不正解でも、原因によって対策は変わります。
単語不足なら語彙を補い、音が分からないなら音声と音読を増やします。時間不足なら、知識を増やすだけでなく問題を解く順番を見直します。
2回目と3回目は本番と同じ時間で解く
復習後は、別の過去問をリーディング35分、リスニング約30分で続けて解きます。
合計点だけでなく、次のように分けて記録してください。
- 短文の単語・文法
- 会話文
- 語句整序
- 長文
- リスニング第1部
- リスニング第2部
- リスニング第3部
私が特に重視しているのは、平均点だけでなく点数の振れ幅です。
7割、7割、7割なら安定していますが、9割、5割、6割なら、出題テーマによって結果が大きく変わっています。
3回分を解いた結果は、次のように判断できます。
- 両技能で7割前後を安定して取れる:受験を前向きに検討できる
- 両技能で6割前後:弱点を絞って補強する
- 一方が7割、もう一方が4〜5割:弱い技能を優先する
- 両技能とも5割前後:単語と基本文法を復習する
- 4割未満:5級範囲から確認する
これらは公式の合否判定ではありません。
受験日を決めるための学習上の目安として利用してください。
英検4級の難易度を下げる学習ポイント
英検4級対策では、教材を増やすより、失点の原因を一つずつ減らす方が効果的です。
この記事では難易度と合格目安を主題としているため、学習ポイントを3つに絞ります。
単語は音声と短文で覚える
単語は、日本語訳だけでなく発音と短い例文をセットにします。
朝に10語を確認し、同じ日の夕方と翌日にもう一度見るなど、少量を繰り返す方法が続けやすいです。
すでに覚えた単語と、何度も間違える単語を同じ回数だけ復習する必要はありません。
間違えた単語ほど多く表示される仕組みを作ると、学習時間を弱点に集中できます。
文法は判断の手がかりと結びつける
文法問題では、正解の形だけでなく、その形を選ぶ理由を確認します。
- yesterdayを見たら過去形を考える
- tomorrowを見たら未来表現を考える
- thanを見たら比較級を考える
- nowを見たら進行形を考える
- Didで始まる疑問文では動詞を原形にする
このように文中の目印と文法を結びつけると、暗記した知識を問題で使いやすくなります。
過去問は解いた後に分析する
過去問は点数を確認して終わりではありません。
同じ原因のミスが繰り返されていないかを調べます。
語句整序を毎回落とすなら語順、長文で時間切れになるなら時間配分、リスニング第3部だけ低いなら一人で話す英文の聞き取りが優先課題です。
問題集を何冊も増やす前に、前回と同じ失点が減ったかを確認してください。
英検4級では、勉強量を増やすことより、次に直す場所を明確にすることが合格への近道になります。
英検4級の難易度についての考察
英検4級は、高度な英語知識を問う試験ではありません。
それでも難しく感じるのは、覚えた基礎を短文、会話、長文、音声という異なる形で使わなければならないからです。
私が学習者を見てきた中で特に注意したいと感じるのは、「分からない」と「間に合わない」が混同されることです。
単語や文法が分からず解けない場合と、知識はあるのに時間配分や読み方の問題で解けない場合では、必要な対策が違います。
前者には基礎の復習が必要です。
後者には、迷う問題を飛ばす、設問を先に読む、本番と同じ時間で通して解くといった試験形式への練習が必要になります。
また、小学生と中学生では、同じ点数でもつまずき方が異なる場合があります。
小学生は音声に強くても、文法用語や語順の整理に慣れていないことがあります。中学生は授業で文法を習っていても、初めて聞く会話をその場で処理する経験が不足していることがあります。
したがって、学年だけで「簡単」「難しい」と決めるのではなく、どの大問で失点しているかを見るべきです。
英検4級は、英語学習が単語や定型表現の暗記から、文脈を理解して使う段階へ移る節目の試験です。
合格証を得ることだけでなく、単語、文法、長文、リスニングのどこに穴があるかを見つけられる点にも価値があります。
語学習得に必要なのは、根性で問題数を増やすことではありません。
現在地を測り、失点の原因を分け、必要な練習だけを小さく繰り返す仕組みです。私は、英検4級をその仕組みを作る良い機会として活用してほしいと考えています。
まとめ
英検4級の難易度は、公式には中学中級程度です。
5級よりも英文が長くなり、過去や未来を表す文、会話の流れ、長文から必要な情報を探す力が求められます。
一次試験はリーディング35分とリスニング約30分で、公式の合格基準は英検CSEスコア1000点満点中622点です。
「過去問で6〜7割」は公式合格ラインではありませんが、受験を判断する学習上の目安になります。
公式過去問を直近3回分解き、リーディングとリスニングの両方で安定して得点できるか確認してください。
英検4級が難しいかどうかは、年齢や学年だけでは決まりません。
5級範囲の定着、未習文法の有無、長文とリスニングへの対応力、約65分集中できるかを確認すれば、受験に必要な準備が明確になります。
よくある質問
英検4級は中学何年生くらいのレベルですか?
公式の目安は中学中級程度です。
一般的な学校進度では中学2年生前後の内容を含みますが、学校や教科書によって学習時期は異なります。
英検4級は何問正解すれば合格できますか?
合否は固定された正答数ではなく、英検CSEスコアで判定されます。
4級の合格基準は1000点満点中622点です。過去問の6〜7割は、公式基準ではなく学習上の目安です。
英検4級は小学生には難しいですか?
英語を始めたばかりの小学生には難しく感じやすい級です。
ただし、5級範囲が定着し、基本的な過去形や未来表現を理解し、約65分の試験に取り組めるなら合格を目指せます。
桐原佳音



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