英検4級リスニング対策|得点を伸ばす効果的な勉強法と練習手順

英検4級の問題冊子とヘッドホンを使ってリスニング対策を進める学習者 英検

英検4級リスニングは全30問・3部構成で、全問2回放送です。大問別攻略と原因別の1日15分復習が、得点を安定させる近道です。

ただ音声を聞き続けるのではなく、「どこを聞くか」「なぜ間違えたか」「次に何を練習するか」を順番に決めましょう。

英検4級リスニングは何問?試験形式と合格基準

英検4級のリスニングは、第1部から第3部まで各10問、合計30問です。試験時間は約30分で、すべての問題が2回放送されます。

公益財団法人日本英語検定協会は、英検4級のレベルを「中学中級程度」としています。一次試験はリーディング35分とリスニング約30分で構成されます。

リスニングの形式は次のとおりです。

部出題形式問題数選択肢放送回数
第1部会話の応答文選択10問音声で読み上げ2回
第2部会話の内容一致選択10問問題冊子に印刷2回
第3部文の内容一致選択10問問題冊子に印刷2回

第1部では補助イラストを見ながら会話を聞き、最後の発言に対する自然な応答を3つから選びます。

第2部では会話、第3部では短い物語文や説明文を聞き、内容に合う答えを4つの印刷された選択肢から選びます。

この違いは重要です。第1部は耳から入る応答候補を比べる力、第2部と第3部は先に選択肢を読み、必要な情報を予測する力が得点を左右します。

英検4級は何問正解すれば合格できる?

英検4級の合否は、単純な正答数ではなく、リーディングとリスニングを換算した「英検CSEスコア」で判定されます。

各技能は500点満点で、一次試験の合計は1000点満点です。英検4級の合格基準スコアは622点に固定されています。

ただし、素点とCSEスコアを単純に換算することはできません。英検協会によると、各回の全答案を採点したあと、項目応答理論と呼ばれる統計的手法を使ってスコアが算出されます。

同じ正答数でも受験回によってCSEスコアが異なる可能性があるため、「30問中何問なら必ず合格」とは断定できません。

目標値を整理すると、次のようになります。

区分示されている数値位置づけ
英検協会の公式基準2技能合計622点固定された正式な合格基準
英検協会の過去の参考情報2級以下では各技能6割程度の受験者の多くが合格2016年度第1回の結果に基づく参考であり、保証ではない
ESL clubの独自目標全体41/65問、リスニング27/30問小学生が多い教室でリスニングを得点源にするための高めの目標
筆者の学習目標まず21/30問前後を安定させ、次に24問以上を目指す現在地を把握するための段階的な練習目標

筆者が最初から27問正解を必須としないのは、初心者が遠すぎる目標だけを見てしまうと、どの練習から始めるべきか分からなくなるからです。

まずは公式過去問を1回解き、現在の正答数を確認します。そのうえで、次回は前回より2問増やすというように、小さな階段へ分解するほうが学習を進めやすくなります。


英検4級リスニング対策は大問別にどう変える?

3つの大問では、注意を向ける場所が異なります。すべての英文を一語ずつ覚えようとせず、問題ごとの目的に合わせて聞き方を変えましょう。

※画像はAIによるイメージ

第1部は最後の発言と疑問詞を聞く

第1部では、補助イラストを見ながら短い会話を聞き、最後の発言に対する自然な応答を選びます。

最も集中したいのは、応答候補が流れる直前の発言です。ここを聞き逃すと、何について答えればよいのか分からなくなります。

特に、疑問詞と答えの種類を対応させておくと判断しやすくなります。

  • What:物、行動、内容
  • Who:人
  • Where:場所
  • When:時刻、曜日、日付
  • How:方法、状態
  • How many:数
  • How much:量、値段
  • How long:期間

たとえば「Where」で始まる質問なら、場所を表す応答を探します。「When」なら曜日や時刻、「Who」なら人を表す答えが候補になります。

ただし、疑問詞だけで正解が決まるわけではありません。疑問詞は、答えの方向を示す道路標識のようなものです。その後に続く動詞や名詞も聞いて、話題を確かめてください。

補助イラストは、会話が始まってから細かく見るのではなく、説明放送中や問題間の短い時間に確認します。「場所」「人物」「持ち物」「行動」の4点を見るだけでも、場面を予測しやすくなります。

第2部は選択肢の違いを先に探す

第2部では、男女の会話と質問を聞き、問題冊子に印刷された4つの選択肢から答えを選びます。

先読みで行うことは、選択肢をすべて日本語へ訳すことではありません。4つの選択肢のどこが違うかを見つけることです。

選択肢が「Monday」「Tuesday」「Thursday」「Friday」なら、聞くべき情報は曜日だと予測できます。

選択肢が「by bus」「by train」「by bike」「on foot」なら、移動手段を表す部分に注意を向けられます。

特に確認したい違いは次のとおりです。

  • 人物
  • 場所
  • 曜日や時刻
  • 数量や値段
  • 行動
  • 移動手段
  • 肯定と否定

第2部では、会話の途中で予定や判断が変わることがあります。最初に出てきた情報へすぐ飛びつかず、「but」「so」「then」など、話の向きが変わる合図にも注意してください。

第3部は質問と時制を軸に整理する

第3部では、短い物語文や説明文を聞いたあと、内容についての質問に答えます。

第2部より情報量が多いため、すべてを記憶しようとすると頭の中が混雑します。「誰について」「いつ」「何をした・する」の3点を骨組みにしましょう。

注意したいのは次の情報です。

  • 主人公や質問で指定された人物
  • 過去の出来事、現在の習慣、未来の予定
  • 曜日、時刻、回数、数量
  • 行かなかった、できなかったなどの否定
  • 予定や場所の変更
  • 複数の人物が別々に行ったこと

「went to」「want to」「is going to」は、似た音を含みますが、表す時点が異なります。音だけを暗記せず、過去・希望・未来という意味と一緒に練習してください。

第3部では質問を聞いてから、2回目の放送で必要な情報を探す方法が有効です。これは、暗い部屋を手探りで探すのではなく、懐中電灯を向ける場所を先に決める感覚に近いものです。


聞き取れない原因は音・単語・処理速度のどれ?

リスニングで間違えたとき、「耳が悪い」「もっと聞かなければ」と一つにまとめないでください。

聞き取れない原因は、主に「音」「単語・文法」「処理速度」「試験運用」の4つに分けられます。

原因1:英文を読めば分かるのに音では分からない

スクリプトを読めばすぐ理解できる場合は、文字として知っている英語と、実際に聞こえる音が結びついていません。

英語では、単語同士の音がつながったり、一部が弱く発音されたりします。「get up」や「want to」などは、単語帳で覚えた音と違って聞こえることがあります。

この場合は、スクリプトを見ながら音声と同時に読むオーバーラッピングを行います。見本の強弱、速さ、音のつながりをまねし、自分の発音との差を確かめましょう。

原因2:スクリプトを読んでも意味が分からない

英文を見ても意味を説明できない場合、必要なのは聞き直しではなく、単語と文法の復習です。

英検4級では、家庭、学校、友達、趣味、旅行、買い物、食事、天気、休日の予定など、身近な場面が扱われます。

間違えた問題に出てきた未知語を1日3〜5個選び、意味だけでなく、短い例文と音も確認してください。単語を孤立させず、使われる場面ごと覚えることが大切です。

原因3:聞こえたのに意味の処理が間に合わない

単語は聞こえるものの、頭の中で日本語へ訳している間に次の文が流れてしまう場合は、処理速度が課題です。

英文を一語ずつ後ろから訳さず、意味のまとまりで前から捉えます。

たとえば「I went to the library/with my sister/after school.」なら、「図書館へ行った/姉妹と/放課後に」という3つのまとまりで理解します。

短い英文を、意味を思い浮かべながら繰り返し音読すると、単語ごとの逐語訳から抜け出しやすくなります。

原因4:内容は分かったのに答えを選べない

質問の対象を勘違いした、選択肢を読み違えた、マーク中に次の問題を聞き逃した場合は、英語知識ではなく試験運用が原因です。

このタイプは、単語帳や音読だけでは改善しにくいものです。本番と同じ順序で問題を解き、先読み、選択、マーク、次の問題への切り替えを練習します。

※画像はAIによるイメージ

過去問の復習で使える診断表

過去問を解いたら、間違えた問題のスクリプトを読み、次の基準で分類してください。

確認結果主な原因次に行う練習
読めばすぐ分かる音オーバーラッピング
読んでも分からない単語・文法意味確認と例文音読
読めるが放送中は追いつかない処理速度意味のまとまりごとの音読
質問を取り違えた疑問詞・注意配分質問を先に確認する練習
内容は分かったが誤答した試験運用選択肢比較と通し演習

私は、英検4級リスニング対策で最も大切なのは、この原因分類だと考えています。

英語学習で深くつまずいた私自身も、学習時間を増やすだけでは前進できませんでした。できない理由を小さく分けたことで、初めて次の行動を選べるようになったからです。

長年、英語教育の現場で学習者を観察してきた経験からも、「リスニングが苦手」という大きな言葉のままでは対策が曖昧になりやすいと感じます。

なお、指導年数、指導人数、個人別の正答数推移など、第三者が確認できる具体的データは本記事では公開していません。そのため、実在する受講者の改善実績を装った数字は掲載せず、読者自身が過去問で検証できる診断手順を示しています。


1日15分でできる英検4級リスニングの勉強法

初心者には、長時間の聞き流しより、短い音声を「解く・確認する・まねる・覚える」の順で仕上げる方法がおすすめです。

1日15分なら、次のように配分できます。

時間練習内容目的
5分過去問や練習問題を解く現在地と出題形式を確認する
4分スクリプトと意味を確認する間違えた原因を特定する
4分音読とオーバーラッピング音と意味を結びつける
2分未知語を3〜5個復習する次回の聞き取りを助ける

15分は、効果が保証された特別な数字ではありません。学校や家庭学習と両立しやすく、解答から原因確認までを一度に終えやすい時間として筆者が設定した実践目安です。

手順1:スクリプトを見ずに解く

最初は本番と同じように音声だけで解きます。聞き逃しても途中で巻き戻さず、少なくとも一つの大問は続けて取り組みましょう。

採点するときは、正解と不正解だけでなく、次の3段階で印をつけます。

  • 自信を持って正解した
  • 迷ったが正解した
  • 分からなかった、または不正解だった

偶然当たった問題も復習対象にすることで、実力と勘による正解を分けられます。

手順2:短く書き取り、スクリプトと比べる

間違えた問題を聞き直し、聞こえた単語を書きます。最初から全文を書き取る必要はありません。

スペルが分からなければ、一時的にカタカナで音を記録しても構いません。目的は正しい英文を書くことではなく、「どこから聞こえなくなったか」を見える形にすることです。

その後、公式のリスニング原稿を読み、自分のメモと比較します。聞こえなかった箇所、意味が分からなかった箇所、質問を誤解した箇所に印をつけてください。

手順3:音読からオーバーラッピングへ進む

まず、自分の速度で英文を音読します。意味を理解し、つかえずに読めたら、音声と同時に発音するオーバーラッピングへ進みます。

初心者には、いきなり長いシャドーイングを課す必要はないと私は考えます。意味が分からないまま音声だけを追いかけると、負担が大きく、何を改善しているのか分からなくなるためです。

次の3条件を満たしたときだけ、スクリプトを閉じて1〜2文の短いシャドーイングを試してください。

  • スクリプトを読めば意味が分かる
  • 音声と文字の対応が分かる
  • オーバーラッピングで大きく遅れない

難しければ、音読へ戻って問題ありません。練習は難しい方法へ進む競争ではなく、聞き取れない原因を一つずつ取り除く作業です。

手順4:正答数と原因を記録する

記録には、日付、使用した問題、正答数、最も多かった原因、次回の練習だけを書きます。

たとえば、次のような形です。

  • 9月4日:第2部6/10問
  • 主な原因:曜日は聞こえたが、予定変更を聞き逃した
  • 次回:butの後ろへ注意して同じ問題を再演習

これは実在する受講者の成績例ではなく、学習記録の書き方を示す例です。数字を並べる目的は成果を大きく見せることではなく、自分の変化を比較できる状態にすることです。

毎週同じ条件で一つの大問を解けば、「正答数が増えたか」だけでなく、「迷った正解が減ったか」「音が原因の誤答が減ったか」も確認できます。


本番では2回放送をどう使い分ける?

本番では、1回目で大意と質問を捉え、2回目で正解に必要な情報を確認します。

2回とも同じ姿勢で聞くより、それぞれの役割を決めたほうが注意を向けやすくなります。

1回目は大意と質問をつかむ

1回目は、すべての単語を覚えようとしません。

第1部では最後の発言、第2部と第3部では「誰について何を尋ねているか」を優先します。

質問が「少年はいつ図書館へ行くのか」なら、2回目に確認すべきものは曜日や時刻です。質問が「女性は何を買うのか」なら、品物を表す語へ注意を向けます。

2回目は選択肢を決める情報を確認する

2回目は、1回目に立てた予測を確かめます。

数字、曜日、場所、人物、行動、否定、予定変更など、選択肢を分ける情報へ集中してください。

1回目で答えが分かった場合も、2回目で根拠を確認します。ただし、答えを決めたあとまで前の問題を考え続けてはいけません。

マークを終えたら、すぐ次の問題へ意識を切り替えます。前の1問を取り戻そうとして次の問題まで失うことを防ぐためです。

※画像はAIによるイメージ

試験直前に確認すること

本番前は、新しい教材を次々に増やすより、過去に間違えた公式問題を解き直します。

試験当日は、次の順序を意識してください。

  • リーディングを35分以内で解くペースに慣れておく
  • 筆記で時間が余れば、第2部と第3部の選択肢を確認する
  • 説明放送中に第1部の補助イラストを見る
  • 1回目で大意と質問を捉える
  • 2回目で必要な情報を確認する
  • マーク後は前の問題を振り返らず、次へ進む

公式サイトでは、過去1年分として3回分の問題冊子、リスニング原稿、Part1からPart3までの音源、解答が公開されています。

2026年9月4日の確認時点では、2026年度第1回、2025年度第3回、2025年度第2回が掲載されています。公開内容は更新されるため、利用時には公式サイトで最新の回を確認してください。

私見:英語の土台と試験運用を分けて考える

筆者としては、英検4級リスニングの得点は「英語の土台」と「試験運用」の掛け算で決まると考えています。

英語の土台とは、単語、文法、音の認識、意味を処理する速さです。試験運用とは、先読み、質問への集中、2回放送の使い分け、マーク、気持ちの切り替えです。

たとえば、「went toをwant toと聞き違えた」は音の課題です。一方、「曜日を聞き取ったのにメモせず忘れた」は試験運用の課題です。

同じ不正解でも、前者には音読とオーバーラッピング、後者には本番形式の通し演習が必要です。ここを混ぜないことが、遠回りを減らすポイントです。

私は、正答数だけを見て学習者を評価するべきではないと感じています。「Whereを聞き分けられた」「質問のあとに集中し直せた」「前の問題を引きずらなかった」といった行動の変化も、次の得点につながる前進だからです。

保護者が学習を支える場合も、「何点だったか」だけでなく、「前回より何ができたか」を具体的に確認してください。結果だけでなく改善した行動を言葉にすると、次に続けるべき練習が分かります。


まとめ

英検4級リスニングは全30問で、第1部から第3部まで各10問、すべて2回放送されます。

第1部では最後の発言と疑問詞、第2部では選択肢の違い、第3部では質問、人物、時制、数字や予定変更を重点的に確認しましょう。

間違えた問題は、「音」「単語・文法」「処理速度」「試験運用」に分けます。原因に合う練習を選べば、1日15分でも目的のある復習ができます。

合格は正答数だけでなくCSEスコアで判定されるため、特定の素点を絶対的な合格ラインと考えることはできません。まず過去問で現在地を測り、正答数と迷った問題を段階的に減らしてください。

根性で長時間聞き続ける必要はありません。迷った原因を一つ見つけ、対応する練習を小さく繰り返すことが、英検4級リスニング対策の再現しやすい道筋です。


よくある質問

英検4級リスニングは何問正解すれば合格ですか?

「何問なら必ず合格」という公式の素点基準はありません。リーディングとリスニングのCSEスコア合計が622点に達したかどうかで判定されます。

学習上は、まず30問中21問前後を安定させ、次に24問以上を目指すと、段階的に取り組みやすくなります。これは筆者の練習目標であり、公式の合格ラインではありません。

リスニング音声はすべて2回流れますか?

はい。第1部、第2部、第3部のすべてが2回放送されます。

1回目は大意と質問、2回目は選択肢を決めるための数字、場所、人物、行動などを確認してください。

聞き流しだけでもリスニング力は伸びますか?

意味の分からない音声を流すだけでは、聞き取れない原因を修正しにくいと考えられます。

短い問題を解いたあと、スクリプトで意味を確認し、音読とオーバーラッピングを行いましょう。「聞く・確かめる・声に出す」を一組にすることが重要です。

スピーキングテストを受けないと4級に合格できませんか?

いいえ。英検4級・5級のスピーキングテストは任意です。

スピーキングテストの受験状況や結果は、4級の級認定に影響しません。4級の級認定は、リーディングとリスニングによる一次試験の結果で決まります。


参照資料

※英検®は、公益財団法人日本英語検定協会の登録商標です。本記事は同協会の承認、推奨その他の検討を受けたものではありません。

執筆:桐原佳音(英語学習コーチ)

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