英検4級の中学生合格率は?中1・中2との違いも紹介

英検4級の合格率と中1中2の違いを学習表で確認する中学生 英検

英検4級の中学生合格率と学年別合格率は非公表で、約70%は過去の4級全体の参考値です。

中1と中2で試験問題や合格基準は変わりません。違うのは学校での学習進度であり、中1は未習範囲の先取り、中2は既習範囲の抜け漏れ対策が合格を左右します。

英検4級の中学生合格率は何%?

結論からいうと、中学生だけを対象にした英検4級の合格率は、日本英語検定協会から公表されていません。中1・中2という学年別の公式合格率も確認できません。

英検4級については、2015年度の合格率が69.9%だったという旧公式集計が広く参照されています。ただし、これは中学生だけの数字ではなく、年齢や学年を限定しない4級全体の年間集計です。

また、日本英語検定協会は2016年度以降、級別合格率を継続的には公表していません。現在の公式サイトでは、当時の集計表や4級の受験者数・合格者数の内訳も確認しにくくなっています。

そのため、69.9%を現在の正確な合格率として扱ったり、「中学生の10人に7人が合格する」と言い換えたりするのは適切ではありません。2015年度当時の4級全体を示す過去値として、範囲を限定して読む必要があります。

確認したい数字 公表状況 正確な捉え方
現在の英検4級全体の合格率 非公表 最新値として断定できない
2015年度の英検4級合格率 69.9%とされる 当時の4級全体を対象とした過去値
中学生だけの合格率 非公表 69.9%からは算出できない
中1の合格率 非公表 未習範囲や英語学習歴で差が出る
中2の合格率 非公表 既習範囲の定着度で差が出る

約70%という数字だけを見ると、英検4級は簡単な試験に思えるかもしれません。しかし、受験者には、学校や塾で対策を行い、合格できる準備が整ってから申し込んだ人も含まれます。

約70%は、無対策で受験した人の成功確率ではありません。さらに、当時と現在では受験者の年齢構成、英語学習の開始時期、学校での指導環境などが同じとは限りません。

私は、英検4級の合格率を「試験全体のおおまかな難易度を知る過去資料」として使うのはよいと考えています。一方、目の前の中学生が合格できるかを判断する材料としては、合格率より公式過去問の結果を見るほうが合理的です。

なお、以前の記事で示されることの多い「英検5級の合格率は約80〜85%」という表現も、年度や対象が曖昧なまま現在の数字として使うべきではありません。比較するなら、同じ年度・同じ集計方法の公式資料が確認できる場合に限るのが安全です。


英検4級で中1と中2の合格率に差はある?

中1と中2の公式合格率は存在しないため、学年ごとの数値を比較することはできません。ただし、学校で習った範囲と英検4級の出題範囲の重なり方には、はっきりした違いがあります。

英検4級の目安は「中学中級程度」です。日本英語検定協会の現行案内では、簡単な英語を理解し、それを使って表現できる段階と説明されています。

中1が不利になりやすいのは、能力が低いからではありません。受験時期によっては、英検4級で必要になる文法や読解形式を学校でまだ習っていないからです。

一方、中2は学校の授業と4級の範囲が重なりやすくなります。ただし、授業で一度扱ったことと、試験問題の中で使い分けられることは同じではありません。

比較項目 中1 中2
試験問題 中2と同じ 中1と同じ
合格基準 中2と同じ 中1と同じ
学校範囲との重なり 未習範囲が残りやすい 4級範囲と重なりやすい
主な失点原因 文法や語彙をまだ知らない 習った内容の区別が曖昧
優先する対策 5級の確認と4級文法の先取り 中1範囲を含む総点検
注意したい思い込み 「知らない=英語が苦手」 「習った=解ける」

つまり、学年差は試験側にあるのではなく、受験時点で必要な知識がどこまでそろっているかにあります。中1でも小学校時代から英語を学んでいれば準備が進んでいることがあり、中2でも基礎に抜けがあれば苦戦します。

学年だけで合格可能性を決めると、この個人差を見落とします。「中1だから早い」「中2だから勉強しなくてもよい」という判断は、どちらも避けたいところです。

※画像はAIによるイメージ

中1は未習範囲を苦手と決めつけない

中1では、受験時期や学校の進度によって、過去形、未来表現、助動詞、比較級・最上級、不定詞、動名詞、過去進行形などが未習の可能性があります。

長文読解についても、短い英文を一文ずつ読む経験はあっても、掲示、案内、Eメール、説明文から必要な情報を探す形式には慣れていない場合があります。

指導の場で中1の答案を見ると、過去を表す語があるのに現在形を選ぶ、助動詞の後ろに過去形を置く、比較を示すthanを見落とすといった誤答がよく見られます。

これらは、すでに習った規則を忘れたというより、規則そのものをまだ体系的に学んでいないために起きることがあります。演習量だけを増やしても、初めて見る文法が自動的に理解できるわけではありません。

中1の誤答は、次の3種類に分けると原因が見えやすくなります。

  • 学校でも英検対策でもまだ習っていない
  • 一度習ったが、形や意味を忘れている
  • 知識はあるが、問題文の読み違いで使えなかった

未習であれば、解説を読んで一から学ぶ必要があります。忘却なら復習、読み違いなら設問の確認方法を整えるべきです。

この区別をせずに「正解したか、不正解だったか」だけを見ると、中1本人が必要以上に自信を失うことがあります。知らない内容を解けないのは、能力不足ではなく、学習順序の問題です。

中2は「習った」と「使える」の差を確認する

中2では、英検4級で扱われる文法の多くを学校で学習済み、または学習中である可能性が高くなります。その分、ゼロから先取りする負担は中1より小さくなりやすいでしょう。

しかし、中2の答案では、不定詞と動名詞、現在形と過去形、比較級と最上級など、似た形の使い分けで失点する傾向が見られます。

たとえば、不定詞を習っていても、toの後ろに動詞の原形を置くことが問題の中で判断できなければ得点にはなりません。比較級を知っていても、thanや最上級のtheとの組み合わせが曖昧なら選択肢を絞れません。

もう一つ注意したいのが、中1範囲の抜けです。英検4級では、中2で直近に習った単元だけでなく、be動詞、一般動詞、三単現、疑問詞、代名詞、前置詞なども横断的に問われます。

学校の定期テストは、直前に習った単元が中心になりやすい試験です。これに対して英検4級では、複数の単元から必要な知識を取り出す必要があります。

私は、中2の対策では新しい難問を増やすより、中1範囲を含めて「なぜこの答えになるのか」を説明できる状態にするほうが効果的だと考えています。正解していても理由を説明できない問題は、本番で選択肢が変わると失点する可能性があるからです。


中1・中2の答案にはどんな違いが表れやすい?

中1は未知の文法で止まりやすく、中2は既知の文法を混同しやすいという違いがあります。この視点で答案を見ると、学年別合格率がなくても優先課題を判断できます。

ここで示すのは、特定の一人の成績や全受験者を代表する統計ではありません。私が英語教育の場で学習者を見てきた中で、繰り返し確認してきた代表的な誤答傾向です。

中1の答案で見られやすい誤答

中1では、文末にyesterdayがあるのに現在形を選んだり、willの後ろに動詞の過去形を置いたりすることがあります。

これは時制や助動詞の規則を理解していない場合だけでなく、受験時点で学校ではまだ扱っていない場合にも起こります。誤答だけを見て「文法が弱い」と判断せず、学習済みかどうかを先に確認しなければなりません。

長文では、知らない単語が一つ出たところで読み進められなくなる傾向もあります。すべてを日本語に訳そうとするため、人物、場所、曜日、時刻といった答えに必要な情報へたどり着けないのです。

この場合は語彙だけを増やすより、設問を先に確認し、必要な情報を探す読み方を練習するほうが改善につながることがあります。

中2の答案で見られやすい誤答

中2では、文法用語を聞けば内容を説明できるのに、会話や長文の中では判断できない例が見られます。

たとえば、動詞の原形、過去形、ing形が選択肢に並ぶと、意味だけで選ぼうとして語順の手掛かりを見落とします。また、疑問詞で始まる文では、主語と動詞の順番が曖昧になることもあります。

リスニングでは、文字で見れば分かる単語を音として認識できないケースが少なくありません。特に時刻、曜日、数、場所、予定の変更は、一つの情報を聞き逃すだけで選択肢を誤ることがあります。

中2は「内容を知らない」のではなく、「知識を問題形式の中で取り出せない」状態が中心になりやすいのが特徴です。復習では、同じ説明を読み直すだけでなく、例文の音読や解き直しまで行う必要があります。

同じ点数でも必要な対策は異なる

仮に中1と中2が同じ正答数だったとしても、学習内容まで同じとは限りません。

中1が未習文法に集中して失点しているなら、必要な項目を順番に学ぶことで伸びる余地があります。中2が語彙、文法、長文、リスニングで少しずつ失点しているなら、基礎を広く点検する必要があります。

総得点だけを見ると、この違いは見えません。答案に残った失点の場所と原因を見ることで、合格までの距離が具体的になります。

※画像はAIによるイメージ

英検4級の合格基準と試験内容は?

英検4級は、リーディングとリスニングの一次試験で級認定が決まります。合格基準は正答数を単純に足した点ではなく、両技能を換算した英検CSEスコアの合計622点です。

日本英語検定協会によると、この合格基準スコアは固定されています。一方、正答数からCSEスコアへの換算は公開された単純な固定表ではないため、「何問正解すれば必ず合格」とは断定できません。

項目 英検4級の現行内容
レベルの目安 中学中級程度
級認定の技能 リーディング・リスニング
リーディング 35分・35問
リスニング 約30分・30問
一次試験の合格基準 英検CSEスコア622点
スピーキング 約4分の録音型テスト
スピーキングの合格基準 英検CSEスコア324点
スピーキングと級認定 別判定で、4級の級認定には影響しない

リーディングでは、短文の語句空所補充15問、会話文の空所補充5問、語句整序5問、長文の内容一致選択10問が出題されます。

リスニングは、会話の応答文選択、会話の内容一致選択、文の内容一致選択が各10問です。音声はそれぞれ2回放送されます。

この試験形式から分かるのは、単語や文法を覚えるだけでは十分ではないということです。35分で35問を処理する読解速度と、音から必要な情報を拾う力も求められます。

「各技能で6割程度」が合格の目安として紹介されることがあります。日本英語検定協会もCSEスコア導入時の説明で、2016年度第1回について各技能6割程度を正答した受験者の多くが合格したと案内しています。

ただし、これは毎回6割で必ず合格できるという保証ではありません。過去問では6割という一本の線だけを見るのではなく、リーディングとリスニングの一方が大きく崩れていないかも確認してください。

スピーキングテストは受験申込者に提供される録音型の試験ですが、結果は4級の級認定とは別に判定されます。スピーキングテストが不合格でも、一次試験に合格して得た4級の資格が取り消されるわけではありません。

合格率を知りたい読者にとって、試験形式の細部をすべて覚える必要はありません。重要なのは、4級の合否がリーディングとリスニングの両方で決まり、単純な正答率だけでは確定しないという点です。


中1・中2は何を見て受験を判断すればよい?

学年別合格率が公表されていない以上、受験判断には本人の過去問データを使うのが最も実用的です。公式過去問を時間どおりに解き、点数だけでなく失点原因を確認します。

日本英語検定協会の公式サイトでは、過去1年分に当たる3回分の問題、解答、リスニング原稿、音源が公開されています。教材による難易度差を避けるため、最初の判定には公式過去問を使うとよいでしょう。

中1は5級の土台と未習範囲を確認する

中1は、まずbe動詞と一般動詞、疑問文と否定文、三単現、代名詞、疑問詞など、5級までの基礎を確認します。

この土台が安定していれば、過去形、未来表現、助動詞、比較、不定詞、動名詞などを一項目ずつ先取りできます。

反対に、be動詞と一般動詞が混ざっている状態で新しい文法を詰め込むと、覚える規則がばらばらに見えてしまいます。中1では受験日から逆算する前に、学習の土台がつながっているかを見ることが重要です。

学習期間を一律に「2か月」「3か月」と決めることはできません。小学校までの英語経験、受験時期、学校の進度、家庭で確保できる学習時間によって必要な期間が変わるからです。

中2は正解した問題も説明できるか確認する

中2は、中1範囲を含む短文問題から点検します。間違えた問題に加えて、正解したものの理由を説明できなかった問題も復習対象にしてください。

偶然当たった正解は、実力を測るときには注意が必要です。「ほかの選択肢がなぜ違うのか」まで説明できれば、文法の区別がついていると判断しやすくなります。

中2でも「1か月あれば十分」とは限りません。学校の成績がよくても、日常会話の表現、長文の時間配分、リスニングに慣れていなければ別の対策が必要です。

逆に、失点が一つか二つの文法項目に集中しているなら、長期間すべてを学び直す必要はありません。不足部分を絞ることが、短期間でも無理のない対策につながります。

合格率の代わりに見る3つの指標

受験時期を判断するときは、次の3点を確認します。

  • 公式過去問を時間内に最後まで解答できる
  • リーディングとリスニングの一方だけが極端に低くない
  • 間違えた理由を「単語・文法・読解・聞き取り」に分類できる

一度だけ高い点数を取っても、得意な話題が偶然多かった可能性があります。公開されている複数回の問題で、同じ弱点が繰り返されていないかを見ることが大切です。

過去問の結果は、次のように記録すると変化を確認しやすくなります。

記録項目 確認する内容
正答状況 問題形式ごとに何を間違えたか
原因 未習・忘却・読み違い・聞き逃しのどれか
時間 長文まで時間内に到達できたか
技能差 リーディングとリスニングの偏り
解き直し 数日後に理由を説明して正解できたか

「ケアレスミス」でまとめると、改善方法が分かりません。単語の意味を取り違えたのか、時制を見落としたのか、音は聞こえたが選択肢を読み切れなかったのかまで分けてください。

私は、この原因分類こそ、公開されていない学年別合格率を補う有効な判断材料だと考えています。全体の平均ではなく、本人の答案から合格までの不足分を測れるからです。

※画像はAIによるイメージ

英検4級の合格率をどう考えるべき?

英検4級の69.9%という数字は、2015年度当時の4級全体を知る過去資料です。現在の中学生や特定の学年について、そのまま当てはめられる確率ではありません。

筆者としては、合格率の役割を「試験のおおまかな位置づけを知ること」に限定するのが適切だと考えます。受験するかどうかは、公式過去問の答案、学校での学習範囲、失点原因の3点から判断すべきです。

中1の強みは、早い段階で基礎を整理しながら目標を持てることです。未習範囲を急いで暗記するのではなく、5級までの土台から順序よくつなげれば、その後の英語学習にも役立ちます。

中2の強みは、学校で学ぶ内容と4級の範囲が重なりやすいことです。一方、「授業で習ったから解けるはず」という思い込みが、基礎の点検を遅らせる可能性があります。

今後も級別・学年別合格率が継続公表されない限り、「中1は何%」「中2は何%」という正確な答えを外部から得ることはできません。塾や学校が独自に示す合格率を見る場合は、対象人数、受験者の選び方、集計年度、事前対策の有無を確認する必要があります。

合格率90%の教室があったとしても、十分に準備できた生徒だけが受験している可能性があります。反対に、学校全体で幅広い生徒が受験する集計では、同じ指導内容でも数字が低く見えることがあります。

合格率は分母の条件によって意味が変わります。数字が高いか低いかだけでは、指導の質や自分の合格可能性を正確に判断できません。

英検4級で得られる価値は、資格だけではありません。自分の失点を分類し、必要な内容を学び、もう一度解いて改善を確かめる手順は、3級以降の学習にもつながります。

英語学習は、合格率という遠くの平均値を追いかけるより、自分の答案に残された手掛かりを一つずつ直すほうが前へ進めます。根性ではなく、現在地と不足分を見える形にする仕組みが重要です。


まとめ

英検4級の中学生合格率、中1の合格率、中2の合格率は、いずれも公式には公表されていません。2015年度の69.9%は、中学生限定ではなく4級全体を対象とした過去の参考値です。

中1と中2は同じ試験を受け、合格基準も同じです。中1は未習文法への対応、中2は既習範囲の抜け漏れが主な課題になります。

英検4級は中学中級程度で、級認定はリーディングとリスニングの英検CSEスコア合計622点によって決まります。正答数だけで合否を断定することはできません。

受験を判断するときは、約70%という全体値ではなく、複数回の公式過去問を時間内に解き、技能ごとの偏りと失点原因を確認してください。それが中1・中2それぞれの現在地を測る、最も具体的な方法です。


よくある質問

英検4級の中学生合格率は何%ですか?

中学生だけを対象にした公式合格率は公表されていません。2015年度の69.9%は、年齢や学年を中学生に限定しない4級全体の過去値です。

英検4級は中1には難しいですか?

英検4級は中学中級程度なので、受験時期によっては未習範囲があります。ただし、5級までの基礎を確認し、未習文法を順番に先取りすれば、中1でも合格を目指せます。

英検4級は中2なら無対策でも合格できますか?

中2でも無対策で合格できるとは限りません。学校で習った文法に加え、日常語彙、長文の時間配分、リスニング、過去に習った基礎事項の確認が必要です。

69.9%は現在の英検4級合格率ですか?

現在の合格率ではありません。2015年度の4級全体について示された過去値であり、2016年度以降の最新級別合格率は公表されていません。

英検4級は何問正解すれば合格ですか?

合否はリーディングとリスニングを換算した英検CSEスコアで決まるため、固定の正答数では断定できません。4級の合格基準は両技能の合計622点です。


参考資料

  • 公益財団法人 日本英語検定協会「4級の過去問・試験内容」
  • 公益財団法人 日本英語検定協会「4級の試験内容」
  • 公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアとは」
  • 公益財団法人 日本英語検定協会「受験の状況」旧掲載資料(2015年度の級別集計。現行サイトでは詳細表を確認できないため、69.9%は過去値として扱っています)

執筆:桐原佳音(英語学習コーチ)

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