英検4級リスニングの合格点・合格ラインを解説

英検4級のリスニング試験に臨む中学生と、耳を傾けるイメージのイラスト 英検

英検4級リスニングの合格点は、素点換算でおよそ9割前後、30問中27問前後の正解が一つの目安です。

英検はCSEスコアという独自の採点方式を採用しているため、単純な正答数だけで合否が決まるわけではありません。

この記事では、英検4級リスニングの合格点の考え方と、リーディングとの配点バランス、実際にどのくらい取れば安心できるのかを、根拠となるデータとともに整理していきます。

英検4級の合格ラインとは?CSEスコア622点がボーダー

英検4級の一次試験の合格ラインは、英検CSEスコアで622点です。

これは日本英語検定協会が公式サイトで公表している基準で、リーディング500点満点、リスニング500点満点、合計1000点満点のうち622点、つまり全体の約62.2%にあたるスコアです。

ここで注意したいのは、CSEスコアは単純な正答数と一致しないという点です。

英検は2016年度からCSE方式を採用しており、日本英語検定協会の説明によると、各回の受験者全体の正答状況などをもとに統計的な処理を経てスコアが算出される仕組みになっています。

そのため「〇問正解すれば必ず合格」という単純な線引きはできず、同じ正答数でも試験回によって合否が分かれることがあります。

この仕組みを踏まえたうえで、リスニングだけに絞った合格点の目安を見ていきましょう。


英検4級リスニングの合格点は何割・何問が目安?

結論から言うと、英検4級のリスニングは30問中27問前後(得点率約90%)の正解が一つの目安とされています。

これは英語学習サイトESL clubが、過去の受験者の得点分布から逆算して算出した素点換算の目安です。

同サイトの分析によると、英検4級一次試験全体の合格点は65問中40点(得点率62%)で、その内訳はリーディング合計が35問中13点(得点率37%)、リスニング合計が30問中27点(得点率90%)とされています。

この配分は、リーディングよりもリスニングの目標得点率をかなり高めに設定しているのが特徴です。

もしリスニングで27点に届かない場合は、その不足分をリーディングで補えれば合格ラインに乗るとされています。

つまり「リスニングだけで9割取らなければ絶対に受からない」というわけではなく、あくまで得意・不得意に応じて配分を調整できる、という考え方です。

なお、これらの素点換算値は日本英語検定協会が公式に発表している数値ではなく、あくまで第三者による受験者データの分析結果である点には注意しておきましょう。


なぜリスニングの合格点は高め(約9割)に設定されるのか

この配分の背景には、リーディングとリスニングでは1問あたりのCSE配点の重みが異なるという事情があります。

英検4級を独自に分析したブログ「元英語教師しげる」の記事によると、筆記(リーディング)とリスニングのCSE点はそれぞれ次のような計算式で近似できるとされています。

  • 筆記のCSE点 = 正解数(全35問)×6.8+201
  • リスニングのCSE点 = 正解数(全30問)×11+77

この式を見比べると分かるとおり、リスニングは問題数が30問と筆記より少ない分、1問あたりの配点係数(×11)が筆記(×6.8)より大きく設定されています。

つまりリスニングは「1問の重みが大きい」科目であり、少ない正解数の変動でもCSEスコアが大きく動きやすい構造になっているのです。

これが、ESL clubの目安でリスニングの得点率が9割前後と高く見積もられている理由の一つと考えられます。

ちなみに英検3級のCSE満点も同じく素技能500点ずつの配分ですが、級が上がるほど問題数自体が増える傾向にあり、1問あたりの配点係数は相対的に小さくなる傾向があります。

つまり4級はリスニングの「1問の重み」が他の級に比べても大きく出やすい段階だと捉えることができ、これは級が上がる前の基礎固めの時期だからこそ、リスニング力を丁寧に仕上げておく意味があるとも言えるでしょう。

※画像はAIによるイメージ

実際のCSE計算式で見るリスニングの得点シミュレーション

先ほどの計算式を使うと、リスニングの正解数ごとのCSE点はおおよそ次のようになります。

正解数(全30問)CSE点の目安
30問(満点)500点
25問452点
21問308点
20問397点
15問262点
10問207点

※これは「元英語教師しげる」のブログが独自に算出した近似式によるものです。25問以下、17問以下などの区分で補正が加わるとされているため、あくまで概算の目安としてご覧ください。

この表からも分かるように、リスニングは正解数が1〜2問変わるだけでCSE点が大きく上下します。

同ブログが93名分の受験者データを分析した結果では、リスニングで22問(正答率73%)正解しても不合格になったケースがある一方、15問(正答率50%)の正解でも合格した例があったと報告されています。

これは、リーディングとリスニングの合計スコアで合否が決まるという、日本英語検定協会が説明する合否判定の仕組みを裏付けるデータといえます。


リーディングとリスニングの配点バランスは合否に関係あるのか

「リーディングとリスニングをバランスよく取らないと不利になるのでは」と心配する方もいますが、結論としてこれは誤解です。

日本英語検定協会の公式サイトで説明されている合否判定の仕組みによると、一次試験はリーディングとリスニングの技能別スコアを合算して判定されます。

つまり、片方が500点満点であれば、もう片方が122点程度でも合計622点を超えていれば合格となる計算です。

実際、先述の93名分のデータ分析でも、筆記25問(71%)・リスニング17問(57%)で合格したケースや、筆記14問(40%)・リスニング21問(70%)という得意分野に偏った配点で合格したケースが報告されています。

このことから、リスニングが苦手な人はリーディングで、リーディングが苦手な人はリスニングで点数を稼ぐという戦略も十分に成立します。


英検4級リスニングの出題形式を知っておこう

合格ラインを意識するうえでは、リスニングがどのような構成なのかも押さえておく必要があります。

日本英語検定協会によると、英検4級のリスニングは約30分、全30問で構成されており、大問は次の3つに分かれています。

  • 大問1:会話の応答文選択(10問)/イラストを見ながら男女の会話を聞き、最後の発言への適切な応答を3択から選ぶ
  • 大問2:会話の内容一致選択(10問)/男女の会話と質問を聞き、内容に合う選択肢を4択から選ぶ
  • 大問3:文の内容一致選択(10問)/1人のナレーションと質問を聞き、内容に合う選択肢を4択から選ぶ

大問2・大問3ではいずれも、音声が2回流れる仕組みになっています。

1回目の音声で「何が問われているか(Question)」を正確に聞き取れれば、2回目の音声では答えに該当する情報だけを拾えばよいため、ぐっと正答率が上がりやすくなります。

この出題構成を理解しておくことは、単に単語を覚えること以上に、合格点である27問前後に近づくための実践的なコツだといえます。

※画像はAIによるイメージ

英検4級の合格率から見るリスニングの重要度

日本英語検定協会が2015年度まで公表していたデータによると、英検4級の合格率はおよそ70%前後で推移していました。

2016年度以降、協会はCSE方式への移行に伴い級別の合格率を公式には公表していません。

筆者の推測にはなりますが、出題形式や難易度の傾向に大きな変更が加えられたという情報も見当たらないため、現在も同程度の合格率が続いている可能性は高いのではないかと考えられます。

また、「元英語教師しげる」のブログが独自に集めた93名のデータでも、69名が合格しており合格率は約74%と、過去の公式データの範囲に近い数字が示されています。

一次試験全体で7割前後が合格しているという事実は、裏を返せば「リスニングとリーディングの両方をまんべんなく仕上げれば十分に届くレベル」であることを示しているとも言えるでしょう。

特にリスニングは、日本の英語教育の中で対策が手薄になりがちな分野です。

だからこそ、合格点の目安である27問前後を一つの指標として、意識的に対策時間を割く価値があります。


考察:リスニングの「9割目安」をどう受け止めるべきか

ここまでのデータを整理すると、英検4級リスニングの合格点は「30問中27問前後(約9割)」という目安が繰り返し示されています。

ただし筆者としては、この数字を「9割取れなければ即不合格」という絶対的なノルマとして捉える必要はないと考えます。

CSEスコアの合否判定はリーディングとリスニングの合算方式であり、実際の受験者データでもリスニング5割程度の正解で合格した例が確認されているからです。

むしろこの「9割」という数字が持つ本当の意味は、リスニング1問あたりのCSE配点がリーディングより重いため、油断すると数問の失点だけでスコアが大きく落ち込みやすい、という構造上の注意喚起だと捉えるのが妥当でしょう。

長年、英語学習者がつまずくポイントを観察し分析してきた立場から見ても、リスニング対策を後回しにする学習者は少なくありません。

文字を目で追えるリーディングと違い、リスニングは「音を聞いた瞬間にしか情報をつかむチャンスがない」という特性上、対策の仕組み化が遅れがちな分野だからです。

だからこそ、大問2・大問3で「1回目の音声でQuestionを正確に聞き取る」という具体的なコツを先に知っておくことは、闇雲に音声を聞き流すよりもずっと効率的な対策になると筆者は考えます。

また、前述の通り4級はリスニング1問あたりの配点の重みが他の級と比べても大きく出やすい段階です。

このため、上位級に進む前の今のうちに「音声のQuestionを正確に拾う」という聞き方の型を身につけておくことは、単に4級合格のためだけでなく、その先の級のリスニング対策にもつながる土台になると筆者は考えています。

今後の英検の出題傾向についても、CSE方式による技能別評価の仕組みが続く限り、リスニングの配点の重みが急に軽くなることは考えにくいでしょう。

英語4技能をバランスよく測るという英検全体の方針からしても、リスニング対策の重要性は今後も変わらず高いままだと見通せます。


よくある質問

英検4級のリスニングだけで合格ラインの27問に届かないと不合格になりますか?

いいえ、必ずしも不合格になるわけではありません。合否はリーディングとリスニングの合計スコア(CSEスコア622点以上)で判定されるため、リスニングが27問に届かなくても、リーディングでその分をカバーできれば合格の可能性はあります。

英検4級のCSEスコアはどこで確認できますか?

英検の一次試験結果通知や、日本英語検定協会のマイページで技能別のCSEスコアを確認できます。自分がリーディングとリスニングのどちらで得点を稼げているかを把握する材料になります。

リスニングの音声は何回流れますか?

大問2・大問3では同じ音声が2回流れます。1回目でQuestionの内容を正確に聞き取れれば、2回目でその答えに関する情報だけを集中して拾えるため、効率的に得点しやすくなります。


まとめ

英検4級リスニングの合格点は、素点換算でおおよそ30問中27問前後(得点率約9割)が目安とされています。

これはCSEスコアの計算上、リスニングの1問あたりの配点がリーディングより重く設定されていることが背景にあります。

ただし合否は最終的にリーディングとリスニングの合計スコア(622点以上)で判定されるため、リスニングが9割に届かなくてもリーディングでカバーできれば合格は可能です。

大問2・大問3では「1回目の音声でQuestionを聞き取る」ことを意識するだけでも、正答率は着実に上がっていきます。

自分の得意・不得意を把握したうえで、リーディングとリスニングの両輪で無理のない対策を進めていきましょう。

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