英検4級と5級の違いは?どちらから受けるべきか比較

英検4級と5級のテキストを並べて比較検討している学習者のイメージ 英検

英検4級と5級の一番の違いは、必要な語彙数がおよそ2倍になり、リーディングに長文読解が加わることです。

5級は英語学習を始めたばかりの方向け、4級は基礎が固まった方向けの試験と考えると選びやすくなります。

この記事では、両者の出題内容・語彙数・文法レベルを具体的に比較しながら、小学生を中心にどちらから受けるべきかを整理していきます。

英検4級と5級の違いとは?比較表で全体像をチェック

結論から言うと、5級は「中学初級程度」、4級は「中学中級程度」というレベル設定になっています。

必要な語彙数・文法範囲・試験時間のすべてで、4級のほうが負荷が高くなります。

日本英語検定協会が公式サイトで案内している級の目安によると、5級は「日常的な話題について、初歩的な語句を用いた短い話や文章から必要な情報を得たり、自分の関心のある事柄を初歩的な語句を用いて簡単に伝えることができる」レベルです。

一方の4級は「日常的な話題について、初歩的な語句を用いた短い話や文章の概要を捉えたり、自身の考えや感想を初歩的な語句を用いてまとまりのある内容で簡単に伝えることができる」レベルとされています。

主な違いを比較表にまとめると、次のようになります(試験時間・出題形式は変更されることがあるため、受験前に必ず公式サイトの最新情報もあわせてご確認ください)。

項目 英検5級 英検4級
推奨目安 中学初級程度 中学中級程度
必要語彙数の目安 約600語 約1,300語
試験時間(1次試験) 約35分(リーディング25分・リスニング約20分) リーディング35分・リスニング約30分の計65分
文法の中心 be動詞・一般動詞の基礎、現在形が中心 過去形・助動詞・不定詞・動名詞など
長文読解 なし あり(大問4で出題)
合格ライン目安 各技能6割前後の正答率 各技能6〜7割前後の正答率

こうして並べてみると、5級から4級への壁は単に「難しくなる」だけではないことがわかります。

「読解問題という新しいタイプの問題が加わる」点が、実は一番大きな特徴なのです。

これは、単語や文法をひたすら覚えるだけでなく、文章全体を理解する読み方を新たに練習する必要があることを意味しています。


英検5級の特徴|英語が初めてでも挑戦しやすいレベル

5級は、英語学習を始めたばかりの小学生や英語に苦手意識のある方でも取り組みやすい内容です。

出題されるのはアルファベットや基本単語が中心です。

文法も「I am〜」「I like〜」といった基礎的な表現が軸になります。

ライティング(英作文)の出題はなく、リーディングとリスニングの2技能で合否が判定される点も、初めての受験者にとって負担が少ない理由のひとつです。

ただし、5級だからといって対策なしで合格できるわけではありません。

三人称単数現在(三単現)や現在進行形など、初心者にとってはやや難しく感じる表現も出題範囲に含まれています。

基礎固めのための試験とはいえ、事前の学習は必要だと考えておきましょう。

小学生の受験の目安としては、英語学習経験がある小学校中学年(3・4年生)頃からがひとつの基準になります。

英語教室に通い始めて半年から1年ほど経ち、簡単な単語や表現に慣れてきたタイミングで挑戦するケースが多いようです。


英検4級の特徴|「読む・聞く力」が一段階アップする試験

4級になると、5級と比べて文章量・語彙・文法のすべてが増え、難易度が一段階上がります。

まず単語数は約1,300〜1,400語程度とされ、5級の約600語からほぼ倍増します。

この数字は、小学校で学習する600〜700語程度の単語に加えて、4級対策用の単語帳でさらに700語前後を上乗せして覚える必要があることから算出されています。

文法面でも変化が大きくなります。

過去形(特に不規則動詞)、助動詞のshall・may・mustなどの用法、不定詞、動名詞、be going toの用法、比較級、There is/are構文といった項目が新たに加わります。

現在形が中心だった5級とは異なり、時制のバリエーションが一気に広がる点が特徴です。

そして最大の違いが、大問4として追加される長文の内容一致選択問題です。

掲示・案内文、Eメール・手紙文、説明文という3種類の読解問題が出題され、5級にはなかった「文章全体を読み解く力」が問われます。

5級はすんなり合格できたのに4級で急に難しく感じる子どもが多いのは、この読解パートの存在が大きな理由のひとつだと考えられます。

リスニングも第1部から第3部まで合計30問が出題されます。

身近な会話中心だった5級に比べて、道案内などの説明的な内容が増える点もポイントです。

単語力が不足していると、聞き取れても意味を正確に理解できないという状況に陥りやすくなります。

※画像はAIによるイメージ

小学生は英検5級と4級、どっちから受けるべき?

多くの家庭や教育現場での声を踏まえると、初めて英検を受けるなら基本的には5級からのスタートがおすすめです。

5級から始めるメリットは主に3つあります。

ひとつ目は合格しやすく成功体験になること、2つ目は英検独特の試験形式(マークシート、時間配分、会場の雰囲気)に慣れられること、3つ目はその成功体験が次のステップへの自信につながることです。

日本英語検定協会が案内している「英検4・5級チャレンジキャンペーン」も、最初の一歩への不安や負担を軽くし、挑戦しやすい環境を整えることを目的のひとつに掲げています。

一方で、次のような条件に当てはまる場合は、5級を飛ばして4級から挑戦しても問題ないとされています。

  • 英語教室に数年以上通っている
  • 簡単な英文がある程度読める
  • 5級レベルの内容がほぼ理解できている

つまり、判断基準は「学年」ではなく「今の理解度」です。

すでに5級レベルの内容を十分にこなせている場合、あえて5級を受けずに4級に絞って対策したほうが効率的なケースもあります。

逆に、英語学習の経験が浅いまま4級から挑戦すると、語彙不足や読解問題でつまずき、英語そのものへの苦手意識につながりかねない点には注意が必要です。

ちなみに、中学英語の入り口として英検と並んで語られることが多いTOEFL Primaryのような児童向け国際テストと比べると、英検5級・4級は「級ごとに合否がはっきり出る」達成型の試験だという違いがあります。

スコア型の試験よりも「合格」という分かりやすいゴールを設定できる分、モチベーションを保ちやすいというのも、小学生が英検から始めるメリットのひとつだと筆者は考えています。


英検5級から4級へ|ステップアップの目安と時期

5級に合格したあと、どのくらいの期間で4級に挑戦するのがよいのでしょうか。

一般的な目安として、5級合格後3〜6か月程度の学習期間を置いて4級に挑戦するケースが多く見られます。

勉強時間で言えば、5級に合格している前提であれば15〜20時間程度、未習分野が多い場合は20〜25時間程度を見込んでおくとよいでしょう。

間隔を空けすぎると、5級対策で覚えた単語や表現を忘れてしまいます。

結果的に学び直しの時間が余計にかかってしまうため、5級合格の勢いをそのまま活かして4級の学習に入る家庭が多いようです。

ただし、ここで焦りすぎるのは禁物です。

無理に急いで詰め込もうとすると、かえって英語そのものへの苦手意識が生まれてしまう可能性があります。

特に小学生の場合は、学年が上がるにつれて受験勉強や部活動など他の予定も増えていきます。

そのため「子どものペースを最優先にしつつ、無理のない範囲で早めに取得を目指す」というバランス感覚が大切です。

なお、日本英語検定協会が公表している学習効果に関する調査では、中学3年時までに英検4級・5級に合格している生徒は、未受験や不合格の生徒と比べて、高校3年時までに英検2級に合格する割合が約2.4倍になるという結果が示されています(同協会の追跡調査によるもので、学習成果そのものを保証する数値ではありません。最新の詳細は協会公式サイトの発表資料でご確認ください)。

小さな一歩の積み重ねが、将来的な目標達成率に差を生む可能性がある、という点は覚えておきたいポイントです。

※画像はAIによるイメージ

5級・4級ともに不合格でも再チャレンジしやすい仕組みがある

英検4級・5級を検討するうえで知っておきたいのが、準会場(学校や塾などの団体受験会場)で通常受験して不合格になった場合の再受験に関する仕組みです。

日本英語検定協会は「英検4級・5級チャレンジキャンペーン」として、2026年度第1回〜第3回の検定において、準会場で通常受験し不合格(欠席を除く)となった受験者を対象に、次回・次々回の同一準会場・同一級の受験料を無償にする取り組みを実施しています。

2025年度からは、次回だけでなく次々回まで無償対象となるよう内容が拡充されました。

本記事は2026年9月時点の情報をもとに構成しています。第1回の申込・実施時期はすでに終了している可能性があるため、対象回や申込期限については、必ず日本英語検定協会の公式サイトまたは受験予定の学校・塾で最新情報をご確認ください。

このキャンペーンを活用し、最大3回受験した場合の累計合格率は、4級で約81%、5級で約93%に達しているというデータも協会側から公表されています(英検協会調べ、公式サイトのキャンペーン案内ページに掲載された数値です)。

個人申込や本会場受験は対象外となる点、無償再受験には団体側での別途申請が必要な点など細かい条件があるため、利用を検討する場合は所属する学校・塾に直接確認するのが確実です。

このような制度が用意されている背景には、「一度の不合格で英語への苦手意識を持ってしまう子どもを減らしたい」という運営側の意図があると読み取れます。

実際、5級・4級はどちらも基礎固めの位置づけの試験です。

一発勝負でプレッシャーをかけすぎるよりも、複数回チャレンジできる前提で気軽に挑戦するほうが、長期的な英語学習の継続につながりやすいと考えられます。


考察|5級と4級の違いをどう捉えて選ぶべきか

ここからは、これまでの比較を踏まえた筆者なりの見解を述べます。

まず強調したいのは、5級と4級の違いは単なる「難易度差」ではなく「試験で問われる力の質の違い」だという点です。

5級までは単語や基礎文法の知識をそのまま問う出題が中心ですが、4級からは長文を読んで内容を理解し、必要な情報を拾い出す「読解力」が加わります。

これは英語学習において非常に重要な転換点であり、個人的には、4級対策を通じて「文章を読んで理解する」という経験を積むこと自体に、単なる合格以上の価値があると考えています。

筆者がこれまで英語学習の現場で数多くの学習者を見てきた中でも、「5級はすんなり合格できたのに4級でつまずいた」という相談は非常によく聞くパターンのひとつです。

その原因を分析していくと、多くの場合、単語や文法の暗記量ではなく「初めて読む長文を、知らない単語が混じったまま最後まで読み切る経験」が不足していることに行き着きます。

つまり、4級の壁は知識の壁というより「読み切る経験値」の壁であり、この点を意識して対策できるかどうかが合否を分ける、というのが筆者の見立てです。

具体的な対策としては、いきなり過去問の長文に挑ませるのではなく、まず短い掲示文や案内文を「分からない単語があっても最後まで読む」練習から始めることをおすすめします。

これは、TOEFL Primaryなどスコア型の児童向けテストで求められる「文脈から意味を推測する力」とも共通する発想であり、英検4級の対策がそのまま他の英語資格にも通用する土台作りになる、という点も筆者としては付け加えておきたいポイントです。

一方で、近年拡充されている無償再受験の仕組みは、こうした「最初のつまずき」に対するセーフティネットとして機能していると評価できます。

不合格を過度に恐れず、まずは挑戦してみるという姿勢を後押しする制度設計は、英語を苦手教科にしないための現実的なアプローチだと感じます。

今後の見通しとしては、英語教育の小学校での必修化が定着していく中で、5級・4級からの受験者層はさらに広がっていくと予想されます。

その中で重要になるのは、級の名前や周囲のペースに合わせて急ぐことではなく、「今の理解度に合った級を選び、無理なくステップアップすること」だと筆者は考えます。

特に4級からは読解というひとつ上の技能が求められるため、焦らず基礎を固めてから挑戦する姿勢が、結果的に上位級への近道になるはずです。


よくある質問

英検5級と4級、小学生ならどちらから受けるべきですか?

初めての受験であれば5級からがおすすめです。

英語教室に数年以上通っていて簡単な英文がある程度読める場合は、4級から挑戦しても問題ありません。

英検5級から4級までどのくらい勉強期間が必要ですか?

5級合格後、3〜6か月程度の学習期間を置いて挑戦するケースが多く見られます。

勉強時間の目安は15〜25時間程度です。

英検4級で新しく追加される出題内容は何ですか?

大問4の長文内容一致選択問題(掲示文・Eメール・説明文)が新たに加わります。

過去形・助動詞・不定詞・動名詞などの文法項目も出題範囲に含まれます。


まとめ|英検4級と5級の違いを理解して、無理のない受験を

英検5級と4級は、どちらも英検の中では基礎レベルに位置づけられますが、必要語彙数がおよそ2倍になり、4級からは長文読解が加わるという明確な違いがあります。

初めて英検を受ける場合は、成功体験を積みやすい5級からのスタートが基本的におすすめです。

一方で、すでに英語教室などで学習経験があり、5級レベルの内容をほぼ理解できている場合は、4級から挑戦しても問題ありません。

大切なのは、学年や周囲の状況に合わせて急ぐことではなく、子ども自身の理解度に合わせて無理のないペースでステップアップしていくことです。

5級・4級ともに不合格時の再受験を後押しする仕組みも用意されているため、失敗を過度に恐れず、まずは挑戦してみる姿勢を大切にしてください。

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