朝6:45。トーストの香りがして、マグカップを置いた瞬間に、英語の声が流れてきます。
「Good morning everyone. Welcome to Radio Eikaiwa!」
この一言が聞こえると、私は毎回、呼吸が整うんです。
「よし、今日も英語に触れられた」って。たった15分なのに、世界の輪郭が少しだけ広がる感覚がある。
NHKラジオ英会話は、“読む”前に“聴く”ところから始まる教材です。
テキストを開かない日があってもいい。耳を向けるだけで、英語があなたの中で静かに動き始めます。
勉強というより、朝の空気に英語が溶け込むような時間——私はそう感じています。
私は英検専門ライターとして、そして英語コーチとして、多くの学習者さんの「続かない」「伸びない」を一緒に見てきました。
そこで確信したのは、伸びる人ほど“英語を楽しめる形の習慣”を持っている、ということ。
NHKラジオ英会話は、その入口として、設計がとにかく上手い。学習者の心が折れないように、最初から最後まで“やさしい導線”があります。
しかも、ただやさしいだけじゃありません。
リスニングで「理解」→ 口で「再現」→ 発音・リズムで「修正」。
この流れは、第二言語習得で重要なインプットとアウトプットの往復を、毎朝15分の中で自然に回せる形になっています。
私がこの番組を愛している理由は、理論だけじゃないんです。
英語を教えてくれるだけじゃなく、“また戻っておいで”って言われているような、静かな温度がある。
英語を聴く時間が、自分と向き合う時間になる。そんな教材、実は多くありません。
この記事では、英検専門ライターであり英語コーチの私・桐原佳音が、NHKラジオ英会話の魅力・レベル・おすすめの使い方を、生活の中での手応え(当事者感)と、指導・編集の視点を交えてまとめます。
「英語は苦手だけど、もう一度ちゃんと学びたい」
「子どもと一緒に聴いてみたい」——そんな方にこそ、この15分を“自分への贈り物”にしてほしいと思っています。
英語の音は、あなたの未来のリズム。
そのリズムを、今日から一緒に聴いていきましょう。
NHKラジオ英会話とは?【番組の目的と特徴】

放送時間・講師・2025年度のテーマ
私がいちばん好きなのは、“朝の空気がまだ静かな時間”に英語が入ってくるところ。
2025年度の本放送はラジオ第2:月〜金 6:45〜7:00。再放送も複数枠あります(昼・夜・日曜まとめ回など)。
「朝は無理…」と思っていた人が、昼や夜の再放送に切り替えて続けられるのも、この番組の強みです。
講師は、英語教育の第一人者として知られる大西泰斗先生。
先生の解説は、ただ“正解を言う”のではなく、「なぜその言い方になるのか」を、感覚に落としてくれます。
学習者がつまずくポイントを、先回りしてほどいてくれる。私は指導の現場で、こういう“ほどき方”ができる教材は貴重だと感じています。
そして2025年度は、学習テーマがはっきりしています。
基本単語のイメージ(ニュアンス)を掘り下げて、「伝わる会話」から「自然な会話」へ。
単語暗記の量を増やすというより、よく使う語の「使い分け」を強くする年です。
ここ、英検の上位級に近づくほど効いてくるポイントなんですよね。語彙の“点”じゃなく“線”がつながるから、英作文やスピーキングで言葉が出やすくなります。
私の実感として、ラジオ英会話は「知ってるのに使えない」をほどく教材です。
英語って、正しさよりも“適切さ”で通じ方が変わる。そこに踏み込めるのが2025年度の魅力だと感じています。
テキスト・音声・アプリの利用方法
テキストは、正直に言うと「買わなくても始められます」。ここがNHKの良心。
ただ、上達を早めたいなら、私はテキスト併用をすすめます。理由はシンプルで、耳で入ったものを“見える化”すると、復習の効率が上がるからです。
特に「文法の核」「キーセンテンス」「使いどころ」が整理されているので、忙しい人ほど助かります。
聴き方は主に3つです。
- ラジオでリアルタイム(生活に組み込みやすい)
- NHKゴガク(Web)や、らじる★らじるの聴き逃し(放送後、一定期間視聴できる)
- NHKゴガクアプリ(翌週月曜から1週間聴ける仕様)
私が学習者さんにいつも言うのは、「聴けるルートを2つ持っておく」こと。
朝に聴けなかった日でも、昼休みか夜に回収できる。
“逃げ道”があると、習慣は驚くほど折れにくくなります。
英語学習でいちばん強いのは、「気合」じゃなくて「戻れる設計」。
NHKラジオ英会話は、その設計が最初から入っています。
どんな内容?NHKラジオ英会話の構成と進め方

1回15分で完結する構成
英語って、「時間さえあればやるのに」と思いがちです。
でも現実は、朝は家事、通勤、子どもの準備、仕事の段取り。まとまった勉強時間なんて取れない。
だから私は、英語学習の相談を受けるとき、まず“15分の居場所”を作れるかを一緒に考えます。
ラジオ英会話は、その居場所が最初から15分で区切られている。
聴いて、口に出して、整えて終わる。終わりが見えるから続けられます。
そして、この短さの中に「理解→再現→修正」の往復が入っているのが、本当に上手い。
私は以前、英語が伸び悩んでいた時期に、朝6:45の放送を“生活のスイッチ”にしていました。
家の中がバタついていても、英語の声が流れると、なぜか心が整う。
学びって、本来こういう形がいちばん強いんですよね。
2025年度のテーマ例(学びの方向性)
2025年度は「ネイティブへの道」という方向性のもと、基本単語のイメージを深掘りしていきます。
たとえば、同じ「言う」でも、状況で選ぶ語が変わる。そこを丁寧に積み重ねる年です。
- 頻出語のニュアンス(“知ってる単語”を“使い分ける単語”へ)
- 場面に合う語彙選択(“通じる”から“自然”へ)
- 発音・リズムの磨き(聞き取れる→伝わる)
指導者目線で言うと、ここは英検2級〜準1級に近づくほど効きます。
理由は、上の級になるほど「語彙の量」より「語彙の選択」が問われるから。
この番組の積み重ねは、英作文の“言い換え”や、面接の“言い回し”の厚みにつながります。
どのレベル向け?【英検・CEFR対応で比較】

ラジオ英会話の難易度と対応レベル
結論から言うと、ラジオ英会話はCEFRでB1前後を強く意識した設計です。
「中学英語は一通り触れた。でも話すとなると止まる」
「単語はわかるのに、会話になると組み立てられない」
そんな層に、ちょうど刺さります。
英検で置き換えると、目安としては準2級〜2級あたりがもっとも取り組みやすいゾーン。
ただし、学び方を調整すれば、もっと下の級の方でも取り入れられます(後述します)。
ここで大事なのは、“難しいかどうか”より“続くかどうか”。
英語は、続いた人から順に、静かに勝ちます。
初心者・中学生でもできる?
できます。むしろ、私は「聴くだけ期」を作るのをおすすめしています。
英語が苦手な人ほど、最初から「全部わかろう」として疲れてしまう。
でも脳は、音を繰り返し浴びるだけで、リズムや型を先に覚え始めます。
だから最初の2週間は、わからなくてOK。耳が慣れるのが先です。
もし「まだ難しい」と感じるなら、同じNHKの「英会話タイムトライアル」を併用しても良いです。
短い反射の練習を挟むと、ラジオ英会話のフレーズも口に乗りやすくなります。
小学生でもできる?
小学生も“家庭のBGM”としてなら、とても相性がいいです。
ポイントは、理解ではなくまねです。
親子で「Good morning!」だけ一緒に言う。
それだけで、英語が“勉強”じゃなく“家の言葉”になります。
意味は後からついてきます。先に音を楽しめた子の方が、後の伸びが大きい——これは現場で何度も見てきました。
NHKラジオ英会話を続けるコツ

1日15分の「耳習慣」を固定化する
続けるコツは、気合じゃありません。置き場所です。
おすすめは、この3つのどれかに固定すること。
- 朝:歯みがき〜朝食の間(いちばん現実的)
- 通勤・通学:イヤホンをつけた瞬間に再生
- 夜:寝る前の“整える時間”に流す
私は「朝が無理なら昼、昼が無理なら夜」と決めています。
“聴けなかった自分”を責めると、学習は続きません。
戻れるルールを先に作る。これがいちばん強いです。
テキストに書き込みながら聴く
テキストを使うなら、やることは1つだけ。
「今日、使いたい一文」に印をつけること。
長々ノートを作らなくていい。
キーセンテンスの横に「自分ならこう言う」を一言書く。これだけで、英作文とスピーキングの橋がかかります。
私は、テキストを“学習帳”というより“生活のメモ”として使います。
買い物、仕事の連絡、子どもへの声かけ。日常に置き換えた瞬間、英語は自分の言葉になります。
通勤・通学を“英語時間”に変える
忙しい人ほど、勝ち筋は「ながら聴き」です。
耳だけ英語にして、手と目は生活を回す。これで十分に積み上がります。
ただし、週に2回だけでいいので、声に出す日も作ってください。
英語は“口の運動”でもあるので、出した瞬間に伸びが加速します。
実際にどんな人におすすめ?

NHKラジオ英会話は、特別な人のための教材ではありません。
むしろ、“生活が忙しい人”ほど相性がいい。
なぜなら、英語を生活に接続する設計だからです。
英語を久しぶりに学び直したい社会人へ
ブランクがあっても大丈夫。英語の音は、意外と残っています。
私も、忙しい時期に英語が遠のいた経験がありますが、ラジオ英会話を再開すると、耳が少しずつ戻ってくる感覚がありました。
「勉強の再開」じゃなく、「英語のある生活の再開」。この感覚が続けやすさにつながります。
英検2級を目指す高校生・大学生へ
英検対策は、演習が大切。でもそれだけだと、英語が“問題用の言葉”になってしまうことがあります。
ラジオ英会話は、英語を会話に戻してくれる。
その結果、リスニングの反応が速くなり、英作文の言い換えが増え、面接でも言葉が止まりにくくなります。
親子で英語を楽しみたい小中学生ファミリーへ
親子で聴くなら、完璧を目指さないでください。
「この音、まねしてみよう」だけで十分。
英語が“家族の共通体験”になると、記憶の残り方が変わります。
「勉強が苦手」でも“英語を聴く習慣”を持ちたい人へ
英語が苦手な人ほど、私はラジオ英会話をすすめます。
理由は、努力感が小さいから。
「聴いた」だけで、その日は合格。これが自己肯定感を削らない学習です。
英語は、上手に始めるより、優しく続けること。
聴くたびに、あなたの英語はちゃんと育っています。
まとめ|“英語の朝”を、自分のリズムにしよう

NHKラジオ英会話は、続けられるように作られた15分です。
短いのに、学びが回る。逃しても戻れる。生活に接続できる。
この“設計の良さ”が、最大の価値だと私は思っています。
英語は、がんばるほど伸びるわけじゃありません。
触れた回数のぶんだけ、自然に近づく。
だから、焦らなくていい。比べなくていい。
まずは、あなたの生活のどこかに、この15分を置いてみてください。
英語の音は、あなたの夢のリズムになる。
明日の朝、ラジオをつけてみませんか?
英語の声が、きっとあなたの心に小さな灯をともします。
FAQ(よくある質問)
Q1. NHKラジオ英会話は無料で聴けますか?- はい。ラジオ放送は無料です。さらにWebやアプリでも、聴き逃しとして一定期間聴けます。
私のおすすめは「聴けるルートを2つ持つ」こと。朝に逃しても、昼や夜で回収できると続けやすさが段違いです。 - Q2. 英検の勉強にも役立ちますか?
- 役立ちます。特に英検2級前後で伸び悩む人に効きやすいです。
理由:語彙のニュアンス、自然な言い回し、反応スピードが育つから。
演習だけだと英語が“問題用”になりますが、ラジオ英会話で英語を“会話の言葉”に戻すと、面接や英作文の出力が安定しやすいと感じています。 - Q3. テキストは必要ですか?
- なくても聴くだけで始められます。
ただ、復習効率を上げたい方にはおすすめです。
私はテキストに「今日、使いたい一文」だけ印をつけます。たったそれだけで、英語が生活に接続しやすくなります。 - Q4. 続けられるか心配です……。
- 心配でOKです。続けられない人ほど、最初にルールを“ゆるく”してあげるのがコツ。
おすすめ:「聴けなかった日は、翌日に1回分だけ回収」
大切なのは“やめないこと”ではなく、“戻ること”。英語は、戻ってきた回数のぶんだけ強くなります。 - Q5. どの時間に聴くのが一番おすすめですか?
- いちばんおすすめは朝ですが、正解は「あなたが続く時間」です。
朝が難しいなら昼、昼が難しいなら夜。
私は、朝の英語は“整う”感覚があって好きです。トーストの香りと英語のリズムが混ざると、一日が少し前向きに始まります。
引用・出典
※本記事は、NHKおよび旺文社等の公式情報に基づき2025年12月時点の内容をもとに作成しています。放送時間・配信仕様・教材仕様は変更される可能性があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。
執筆者情報・編集方針(E-E-A-Tのための透明性)
- 執筆:桐原佳音(英検専門ライター)
- 編集方針:一次情報(公式サイト・公式出版物)を優先し、学習者の再現性が高い形でまとめます。
- 検証観点:学習継続のしやすさ(習慣化)/英検学習への接続(語彙・表現・出力)/生活導線への組み込みやすさ



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