試験前夜、ノートを閉じた小さな手に。
「まだ早いかな?」
英検4級を勧めたとき、ある保護者の方が少し不安そうにそう言いました。
私はこう思います。
英検4級は、「今の実力が足りるか」よりも、「今やってみたいと思えるか」で決めていいテストです。
なぜなら、私自身も中学生のときは英語が苦手で、成績もあまり良くありませんでした。
そんな私が初めて「英語っておもしろいかも」と思えたきっかけが、英検4級でした。
あの日、問題集に書かれていた “I can swim.” の一文を声に出して読んだとき、意味がわかってうれしくなりました。
英語が少しだけ身近に感じられた瞬間でした。
この記事では、英検4級がどんなテストなのか、小学生でも合格できる理由、そして「覚える英語」を「使える英語」に変える勉強の進め方を、経験と専門知識の両方からわかりやすくお伝えします。
英検4級はどんなレベル?小学生には難しい?

中学2年レベルの英語力が目安
英検公式サイトによると、英検4級は中学中級程度(中学2年修了程度)の英語力が目安とされています。
文法の範囲で見ると、次のような内容が出題されます。
- be動詞・一般動詞・助動詞(can, will など)
- 現在進行形・過去形・疑問文
- 約600〜700語の基本的な単語
- 短い英文を書くライティング
- 日常会話を中心としたリスニング
内容だけ見ると「中学英語の基本」と感じるかもしれません。
ですが、英検4級は英語を“使える力”として身につけ始めるための大切な段階です。
単語や文法を覚えるだけでなく、「聞く」「読む」「書く」「話す」をバランスよく練習することで、英語の基礎力をしっかり作ることができます。
小学生でも挑戦できる理由
「まだ小学4年生だから難しいかも」と思う方もいるかもしれません。
しかし、英検協会の発表によると、英検4級の受験者の約20%は小学生です。
この割合は年々増えており、小学校で英語が正式に教科化されたことが大きく影響しています。
また、最近は英語に自然に触れられる環境が増えています。
- 英語の歌を聞く
- 英語の絵本を読む
- アニメやYouTubeで英語の音を聞く
こうした日常の中での体験が、「英語の音に慣れる力」を育ててくれます。
学生の方へ:どんな勉強から始めるといいか
英検4級を目指すときは、まずリスニングと単語から取り組むのがおすすめです。
英語の音に慣れていくことで、リーディング(読む力)も自然に伸びていきます。
- 1日10分、英検公式のリスニング音源を聞く
- 中学1・2年の英単語を少しずつ覚える
- 教科書や過去問を音読して、声に出して練習する
はじめは短い英文でも大丈夫です。少しずつ読んで、聞いて、話していくことで、自信がついていきます。
保護者の方へ:お子さんの学習をサポートするポイント
お子さんが英検4級を受けるときは、「合格させること」よりも「英語に慣れる時間を増やすこと」を意識してください。
- お子さんが勉強しているときに「どんな単語を覚えたの?」と聞く
- リスニング音声を一緒に聞いて、「今の英語は何を言っていたかな?」と話してみる
- 間違いを指摘するより、「ここまでできたね」と小さな成果を認める
保護者の方が英語をすべて教える必要はありません。
お子さんが英語に親しむ時間を「楽しいもの」と感じられるよう、温かく見守ることが一番のサポートになります。
英検4級は、英語を「勉強」から「コミュニケーションの道具」へと変える最初のステップです。
小学生でも、日々の中で英語を使う機会を少しずつ増やすことで、自然と合格レベルに近づいていけます。
実体験でわかった 英検4級は成功体験の宝庫

「わからない」から「言えた!」へ
私が英語を好きになれた一番のきっかけは、英検4級のリスニング問題でした。
試験中に流れた “Where is the station?” という英文が、すっと耳に入ってきたのです。
教科書で見たことのある単語ばかりなのに、耳で聞いて理解できた瞬間、「あ、わかった!」といううれしさがこみ上げてきました。
そして、自分で “I can play the piano.” と言えたとき、初めて「英語で伝えられる」感覚をつかみました。
英語が「覚えるもの」から「使えるもの」に変わった瞬間でした。
学生の方へ:できた経験を増やそう
英検4級の勉強で大切なのは、「わかった」「言えた」という経験を積み重ねることです。
難しい文法や長文よりも、短い文を正しく聞けたり言えたりすることを目標にしましょう。
- リスニングでは、同じ音声を2回聞いて「聞き取れた単語」をノートに書く。
- スピーキング練習では、1日1文「I can ~.」「I like ~.」を声に出す。
- 間違えても落ち込まず、「昨日より1つ多く言えた」を目安に続ける。
英語は「量より継続」です。短い時間でも毎日英語に触れることが、確実な力になります。
保護者の方へ:お子さんの「できた!」を一緒に見つける
お子さんが英検の勉強をしているときは、正解・不正解だけでなく、「今日はどんな英語を言えたの?」と声をかけてあげてください。
自分の力で理解できたことを話す時間が、自信につながります。
- 「今の発音、前より上手になったね」と小さな変化をほめる。
- リスニングを一緒に聞いて、「聞こえた単語あった?」と会話にしてみる。
- 「英語ができるようになってきたね」と前向きな言葉をかける。
子どもは「認めてもらえた」と感じると、次のチャレンジに向かう力がわきます。
英検4級は、英語を楽しみながら自信を育てられる試験です。
小さな「できた!」の積み重ねが、英語学習を続ける大きな力になります。
英検4級は、結果以上に「自分で成長を実感できる経験」が得られる貴重なステップです。
学年別に見る “使える英語”を育てる勉強法

小学生向け|英語は「感じる」ことから始めよう
英語を初めて学ぶ小学生にとって、一番大切なのは意味や文法を理解することより、“音”と“感覚”を楽しむことです。
英語はまず「耳で聞く」「声に出す」「まねしてみる」ことからスタートします。
- 英語の歌を聴いて、リズムに合わせて口ずさむ。
- 絵本を読んでもらい、登場人物の声をまねしてみる。
- アニメや動画で英語の音を自然に聞く。
小学生は音やリズムを吸収する力が強く、発音もまねるのが上手です。
英語を「耳で楽しむ」ことができる時期だからこそ、勉強というよりも「遊びながら英語に触れる」感覚が効果的です。
英検4級ではリスニング問題の割合が高いため、耳で英語を聞き取る力が大きな強みになります。
日常的に英語の音を聞くことで、試験でも落ち着いて対応できるようになります。
保護者の方へ:家庭でできるサポート
小学生の場合、親が一緒に英語を楽しむことが何よりのサポートになります。
- お子さんと一緒に英語の歌を聴く。
- 「今日どんな英語を聞いた?」と会話のきっかけを作る。
- 正しい発音を求めすぎず、「すごいね!」「今の発音きれいだね」とほめる。
勉強の成果を急がず、「英語が好き」という気持ちを育てることが大切です。
中学生向け|教科書の英語を“使える力”に変える
中学生にとっての英検4級は、教科書で学んだ英語を実際に使える力へと発展させるチャンスです。
文法を覚えることが目的ではなく、「自分の考えを英語で言える」ことを目指しましょう。
- 教科書の例文を音読し、正しい発音とリズムを身につける。
- 単語を使って、自分の文章を作ってみる。
- シャドーイング(音声をまねして発音)でリスニング力とスピーキング力を伸ばす。
英語を「知っている」だけでなく、「使える」ようになると、テストだけでなく会話でも自信がつきます。
たとえば、教科書の “I like music.” を “I like K-pop.” のように言い換えることで、自分の気持ちを表現できます。
保護者の方へ:中学生の学習を見守るポイント
中学生になると、自分で勉強を進める意識が強くなります。
そのため、保護者の方は「一緒にやる」よりも「見守る姿勢」が大切です。
- 「今日はどんな英文を音読したの?」と話を聞く。
- 英語で一言でも話したときは、すぐにほめる。
- 間違いを指摘するより、「前よりスムーズだったね」と成長を伝える。
英検4級は、努力すれば手が届くレベルです。
「できるようになってきた」という感覚が、お子さんのモチベーションを高めていきます。
学習心理から見る 英検4級が伸びやすい理由

“あと少しで届く”がやる気を引き出す
教育心理学では、「少し難しい課題」に取り組むとき、人は最も集中し、やる気を発揮すると言われています。
この状態を「フロー体験」と呼びます。
英検4級は、まさにこのフロー体験を得やすい試験です。
- 出題範囲が明確で、目標を立てやすい。
- リスニング中心で、学んだことをすぐ実践できる。
- 3か月ほどの集中学習でも成果が出やすい。
「もう少しで合格できそう」と感じるレベルだからこそ、子どもたちは前向きに取り組みやすくなります。
達成感を積み重ねることで、英語が「得意科目」に変わっていくのです。
英検4級は、英語学習の基礎を固めるだけでなく、「英語が楽しい」「できた!」という実感を育てる試験です。
お子さんが自信を持って次のステップへ進めるように、家庭でも応援の言葉をかけてあげましょう。
よくある質問(FAQ)

Q1:小学生でも本当に合格できますか?
はい、合格できます。
英語教室に通わずに、自宅学習で合格したお子さんもたくさんいます。
英検4級ではリスニングの割合が高く、「英語の音に慣れていること」が大きな強みになります。
日ごろから英語の歌やアニメを聞くことで、自然と耳が育ち、試験でも理解しやすくなります。
Q2:5級を受けずに4級からでも大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。
英検5級と4級の間には大きな差はありません。
英語に少し慣れているなら、4級から挑戦しても問題ありません。
5級の内容(あいさつ・簡単な文)を少し復習しておくと、より安心です。
Q3:学校のテストと比べて難しいですか?
英検は学校のテストとは少し違います。
学校のテストは覚えた単語や文法を確認する内容が多いですが、英検は「実際に使える英語力」を試すテストです。
リスニングや会話の理解など、「英語を使って考える力」が求められます。
暗記だけでなく、普段から英語を聞いたり話したりする練習が効果的です。
まとめ|合格よりも大切なこと

英検4級に挑戦することは、英語を「教科」として勉強するだけでなく、「ことば」として使う第一歩です。
この試験を通して、英語を聞いて理解したり、自分の考えを言葉にしたりする力が少しずつ育っていきます。
英語を学ぶ目的は、点数を取ることだけではありません。
大切なのは、英語を通じて「伝えることの楽しさ」を感じることです。
学生の方へ:次につながる勉強のポイント
英検4級で身につけた知識を、そのまま次の勉強につなげていきましょう。
- リスニングで聞いた表現をまねして声に出す。
- 英単語を覚えるときは、例文を一緒に声に出して読む。
- 1日10分でも英語を聞いたり読んだりする時間を作る。
勉強は一度にたくさんやるより、少しずつ毎日続ける方が効果があります。
小さな積み重ねが、次の級へのステップになります。
保護者の方へ:お子さんの学習を支えるコツ
英検4級は、努力すれば誰でも手が届く試験です。
お子さんが勉強を続けやすくするために、「結果」よりも「過程」を認めてあげてください。
- 「今日はここまで頑張ったね」と声をかける。
- 一緒にリスニングを聞いて、「どんな言葉が聞こえた?」と会話する。
- 試験前は無理をさせず、リラックスできる時間を作る。
お子さんが「もっとやってみたい」と感じることが、英語学習を続ける一番の力になります。
英検4級は、英語を学び始めた人にとってのスタートラインです。
合格を目指すことはもちろん大切ですが、それ以上に、「英語で通じた」「聞き取れた」という経験が、これからの学びを支えていきます。
焦らず、少しずつ、できることを増やしていきましょう。
その積み重ねが、次の合格につながっていきます。



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